世界各地で対立や分断が深まり、これまで国際社会を支えてきた秩序が大きな転換期を迎えています。主要国の政策や政治体制の変化、新興国の存在感の高まり、経済安全保障をめぐる課題の顕在化など、国際情勢は複雑さを増しています。また、デジタル技術の急速な発展や情報環境の変化は、国家間の関係だけでなく、企業経営や社会のあり方にも影響を及ぼしています。
こうした環境のなか、国際秩序研究会では、国際情勢を多角的に捉えるために異なる専門領域を持つ有識者がそれぞれの知見に基づいて議論を重ねています。特定の立場や見解に偏るのではなく、多様な視点を持ち寄りながら、これからの世界と日本が直面する課題を考察することを目的としています。
本報告書は、2026年に開催された全3回の研究会における議論がまとめられたものです。
新興技術や経済安全保障、民主主義と権威主義、国際社会の分断など、変容する国際秩序を読み解くうえで重要となる論点が全3章で紹介されています。
第1章 国際秩序と利益~中国・AI・貿易~
生成AIをはじめとする新興技術の発展は、国家間の技術競争に加え、情報環境や社会にも影響を及ぼしています。また、先端技術の流出や経済的威圧、サプライチェーンの途絶など、経済安全保障上のリスクも顕在化しています。
第1章では、新興技術の普及や国際通商環境の変化を踏まえ、これからの国際秩序と日本の役割について論じます。
第2章 「民主主義vs.権威主義」と国際秩序
民主主義と権威主義の境界はかつてほど明確ではなくなり、両者の相互作用が国際秩序や各国の政治体制に大きな影響を及ぼしています。
第2章では、リベラル国際秩序の変容、日本型民主主義の特徴、中国政治の展望などを通じて、世界の政治体制が直面する課題と今後の方向性を多角的に考察します。
第3章 変容する国際秩序、進む国際社会の分断
主要国の対外政策の変化や各地域で続く対立を背景に、安全保障の枠組みや国際法、国際機関のあり方が揺らいでいます。その影響は企業活動にも及び、経済安全保障やサステナビリティ政策、AIの発展などを踏まえたサプライチェーンやグループガバナンスの構築など、グローバル経営の見直しが重要になっています。
第3章では、安全保障や地域情勢、外交、企業経営の観点から、分断が進む国際社会の構造変化を論じます。
変容する国際秩序をどのように捉え、日本や企業はどのような選択をしていくべきでしょうか。
本報告書では、各分野の専門的な知見を通じて、今後を考えるための多様な視点が提示されています。
各テーマの詳細は、以下のPDFをご覧ください。